あの街にしかない
オンリーワンギフトを贈ろう

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今回取材する方は福岡県宗像市にお住いの陶芸家。取材をする前の私は陶芸に対して「山奥でひっそりと器と向き合う男の仕事」というイメージをもっていました。

今回取材をさせてもらった716雑貨(なないろ雑貨)さんは、そんな私の固定観念を一瞬で吹き飛ばしました。

「え?ここで?」

子どもたちの遊び声が聞こえてきそうな、生活感漂う住宅街の中の一軒家庭に入ると割れた陶器の破片や作りかけの皿が目に入り、ようやく器作りの気配を感じさせました。

「本当にここで作っているんだ。。」

陶芸家のイメージとは程遠い、ヒマワリのように笑う陶器デザイナー新島由貴(にいじまゆき)さん。今回は、謎に包まれた716雑貨の可愛らしい作品のルーツに迫ります。

「自分が使いたいと思える、ものづくり」

そういえば、母が陶器が好きでした

取材中にふと気づいたかのような由貴さんは、笑顔が素敵で、作りたいお皿に愛情を注ぐ3人の子どもを持つお母さんでした。

「もともと、何か作るのが好きだったんです。たまたま小石原(現福岡県朝倉市)に陶器づくりを学べるところがあって、20年ほど前から友達と習い始めました。

週末に器を作りに通って、はまってしまい実家にガス釜を作っちゃったんです笑びっくりされるんですけど、陶器づくりしてる人で趣味だけど自分の窯を作っちゃう人結構いるんです。」

趣味だったから、自分が欲しいと思うものを作ってたんですよね

それを欲しいっていう人にプレゼントしたりすることもあったんだけど、お金を払ってでも欲しいという人が現れはじめました。

そういう人が増えるうちにだんだん作るのが追い付かなくなったので、今までしていた仕事を辞めて陶芸をすることにしたんです。

二人でやってきたからこそ生まれた、716(なないろ)雑貨スタイル

由貴さんのやり方を見て陶芸を学んだご主人の範高(のりたか)さん。2人で補い合いながら続けていくうちに、716雑貨の今のスタイルが生まれました。

「結婚してから宗像に引っ越しました。実家に作ったガス釜も遠いから、小さい窯を買って焼いてたんです。自宅の玄関でです。

「でも、子どもができたあたりから忙しくなってしまって、生産が追い付かなくなっていきました。こねるのとかあって、意外と体力いるんですよ。

見かねて主人が作り始めたんです。主人は、陶芸が好きだったとかそんなことは全くなくて、見よう見まねで作って独学で今に至っています。

今のスタイルになったのは、主人の影響が大きいと思いますね。作り方も発想も自由で、独自の作り方で作っているんです。」

思い通りにいかない楽しみがある

「陶器って思ってるよりも、いろんなものが作れるんですよ。私は『陶器で何が作れるかな』よりも、『自分が何を作りたいかな、こんな器あったらいいかもしれないな』と思って作り始めます。

頭の中にある作りたいものが形になるんです。でも、焼き上がりはイメージしていたものと違ったりします。

それもまた楽しみながら、器作りに無心で向き合っています。

「私たちの器は、タタラ作りという作り方で作っています。ロクロ作りもやるけど、きれいな丸になっちゃうのでちょっと機械的な感じがするんです。

だからあえて、茶碗とかカップもタタラ作りで作っています。

タタラ作りだとたわみや不規則な円が、あったかみがある器になるような気がするんです。

そんな風にすべての作品が微妙に違ったりするのが楽しいから、今まで続けているのかもしれないですね。 」

夫婦二人で、遊ぶ感覚でデザインをしていく

一人で作っている人と違うところは、夫婦二人でやっているところ。

どうしたら笑顔が増えるかなと考えながら、「いやそれは変だよ」と言い合えるのも、夫婦であるからこそ。

「うちには子どもがいるので、子どもにとって分かりやすいものっていう発想が多いかもしれないですね。

作品の中にカエルとか、猫などの動物は割と多いんです。

展示会でも、子どもたちが『あ、ニャーニャだ、ガーガーだ』て言ってくれます。笑」

 

「ご飯って普通に毎日食べるものですよね。そんな毎日食べる料理は同じでも、器が楽しいとちょっとプラスで楽しいかなと思うんですよね。

食パンが食パンの器の上に乗って出てきたり、おにぎりがおにぎりの器に乗って出てきたら、「おおー」って、ちょっと笑顔が増えるような。

どんな器が食卓にあったら、笑顔になれるかなって考えています。」

笑顔になるきっかけって、世界共通なのかもしれない

海外への販売も増えてきている716雑貨のお皿。日本人にウケてきた商品が、海外の人にも手に取ってもらえることに気づいたとき、面白さが増したんだそうです。

最近、台湾や中国の方に買っていただいています。あぁ、なんか受け入れてもらえるんだな、おもしろいなって。

日本人に受け入れられていた716雑貨のお皿の持ち味が、海外の方にも感じていただいて買ってくださるんだなって分かって、それがうれしかった。

そんな経験から、海外の方にも世界共通で笑顔になってもらえる商品をと考えるようになりました。

「陶器を使う楽しみは、食卓を眺めたときに器に気付いてクスッと笑顔がこぼれるような、小さな楽しみだと思っています。」

毎日同じ器でおかずを食べる取材した私には、感じたことのない幸せなのかもしれません。

でも、毎日の食事をするという、誰もが行う普通の時間をどうしたら笑顔が増える時間にできるだろう。

そんなふうに、器を通して考え抜く716雑貨の新島ご夫妻だからこその魅力。 

「その器は可愛いね」「こんなの作ってみたよ」「それはお皿としては使いにくいよ」

そんな仲良しの由貴さん、範高さんのお二人だからこそ、生まれた心からほっこりするお皿や器。

商品としてのお皿ではなく、「こんなのあったら、子どもたち喜びそうだよね」そんな会話を今日も交わしながら、ご夫婦で716(なないろ)雑貨を続けていらっしゃいます。

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