あの街にしかない
オンリーワンギフトを贈ろう

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宗像市の海沿いを車で進む。

澄み渡る青空と緑の芝生、大きな木褐色の工房が私たちを迎えてくれました。

無垢材を使用した家具の隅々にまで手を尽くす職人「GOODWOOD WORKS」の安井陽平(やすい ようへい)さん

椅子やテーブルだけではなく、木の素材を生かした商品を福岡県宗像市で作られています。

深いくぼみの珈琲さじ。使い込んでいくと珈琲の油分が木に馴染み、革製品のような愛着も湧くぜひとも使ってみたい一品。

「ヤスリは使わず、掘り出して作っています。」

よく見ると、外側に刃物で削ったウロコのような模様。

何度も何度も角度を変え、木の中から掘り出した丁寧さがうかがえる。

一つひとつに丁寧に向き合い、真剣に家具づくりをされる安井さんにお話を伺ってきました。

【使いたいものが形になっていく】

—なぜ家具作りをはじめたんですか?

「大学で多摩美術大学のグラフィックデザイン科を専攻していました。

でも、大学で平面の世界を学んでいるうちに『あ、自分がやりたいことはこれじゃない』と思ってしまったんですよね。

そう気付いた時から立体のデザイン、家具作りの道に進もうと決めました。もう15年近く前になります。

その後、東京、岡山、大分で修行をさせていただき、現在宗像市で独立することになりました。」

—あらゆるモノづくりの分野の中でも、家具作りを選ばれたんですね。

「大学の時に教授に『椅子のデザインが一番難しい』って言われたんですよね。その時は意味が分からなかったんですけど(笑)

今でも『確かに椅子のデザインは難しいけれど、一番難しいってどうなんだろう』ってどこかで引っかかってるのかもしれないです。

そういう家具づくりの難しいところを追求していきたい。

家具作りは自分がイメージしているものが自分で作れて、日常の生活で使えるんです。

そういった日常に寄り添うものを作りながら、無心で真剣に取り組めるところが好きですね。」

【木の中から削り出した珈琲さじ】

珈琲好きが目を惹かれるのは、心地よい香りがしてきそうな優しい断面の珈琲さじ。

この珈琲さじ、実はカンナとノミを使ってひとつずづ手作業で削り出しているのだそう。木という素材をしっかり感じられる珈琲さじです。

「珈琲さじは家具ではないんですが、キッチンで使えるものを作りたいと考えて作りました。

普通のスプーンは少しくぼみがあればいいんですが、珈琲さじは計量のためにくぼみを深くする必要があります。

それが、機械ではなかなかできないんです。だから、時間はかかりますがひとつずつノミを使って掘り出しています。」

「仕上げには食用のエゴマを塗っているので安心ですし、使っているうちに珈琲の油が木に馴染んでしっとりとした艶になります。実際に近くの自家製珈琲を販売しているお店でも使ってもらっています。

うちの人気商品です。」

【無垢材を使用したスツールづくり】

スツールとは、背もたれがない一人掛けの椅子。

安井さんの作る作品には人の体にフィットする曲面があり、布でもなくクッションでもないぬくもりがあります。

スツールには釘やねじ、金物は使われていない。金物は腐っていくが、木のぬくもりは水にぬれない限りずっと残っていきます。

—スツールへのこだわりはありますか?

「切り出した座面を4本の足が支えるシンプルな作りですが、素材をできるだけ活かしたいという気持ちはあります。

この工房には木を切り出す機械はありますが、大きさや厚み、くぼみは作り手の力量で変わってきます。せっかくの木材が、木屑になるのはもったいないので出来るだけ座面を厚く残して作るようにしています。」

【GOODWOOD WORKS は工房を作るところから始めた】

—この工房を持つまでにどのようなエピソードがありましたか?

「自分の工房をもつにあたり、家族は応援してくれました。

実はこの工房はほとんど自分で立てたんです。バイトをしながら、朝は作って昼は仕事をしてという感じで2年弱かかりまりした。」

「作り始めた時は工房を一から作る大変さがイメージできなかったので、ゼロから作り始めることができました。しかし、始めたら完成するまでやめられないし、本当に苦労しました。

完成してとても嬉しかったですが、ゼロから作るのは大変だと学んだので、もう一度作れと言われてももう作らないかなと思います(笑)」

「家具作りをはじめてから今まで、ずっと木から家具を作っています。自分の作品を作りたいと思った時から職人として生きていこうと思い、工房を持ちました。

もう、方向転換をするつもりはありません。これからも木を使った家具作りを続けていきます。

いいものを作って、家具職人として認められたいという気持ちはずっとあります。

いくら職人が手間をかけたとしても、買う人は『もの』しか見ないわけだから。」

『いいものだから使いたい』と言ってもらえるものを作れる職人でありたいです。

それは、いいものを作っているという証だと思うので。」

一人で、デザイン・設計・製造を行うのは簡単ではない。

安井さんの物作りは建物だけでなく、机や、収納棚まで自身で作られたものです。

いいものを使うということは、それぞれの使う人にとって使いやすかったり、居心地がよかったりなどさまざま。

使い手は買った時を忘れほとんど無意識のうちに日常に溶け込んでいきます。

そんな日常の空間にそっと寄り添う、安井さんの作品。時間をじっくりかけて、一つ一つ使い手を想像しながらこれからも作られていきます。

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