あの街にしかない
オンリーワンギフトを贈ろう

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熊本市内から車で3時間。海岸線を海風を感じながら走らせる。

海のイメージが強い天草から少し離れて、山の方へ。

杉の木を横目に、普段では見慣れないオリーブの木々が、どんどん私たちの前に姿を現した。

ここは、株式会社九電工が管理する「天草オリーブ園」(五和町)。オリーブといえば今では日本でもすっかり定着した果実だ。

オリーブオイルを料理に頻繁に使う機会も増え、私たちの生活に馴染み深い。

なぜこの地でオリーブの木々を育てるのか。天草という地で新しいチャレンジに取り組む九電工の清田隆二さんにお話を伺いました。

九州へ恩返しをしたい。

—もともとオリーブ事業をしようと思われた経緯を教えていただきたいです。

「2009年、当時の社長から『一次産業を盛り上げよう。そのための事業に取り組んでいこう。』という話があがりました。

九電工としても1944年の創業以来65年を迎えるにあたり、地域創生という観点で新しい取り組みを模索していました。」

「私たちは、この九州に支えられてここまでやってきました。これから人口が減っていく中で、お世話になった九州のために何ができるかを模索したんです。

九州は農業と観光の島。その中で、私たちは企業として農業で地域を活性化させ元気づけることができるのではないか。そう思い6次産業としてのオリーブ作りを始めることにしました。」

—そういった意図の中でもオリーブという選択肢は珍しいですよね。なぜ数ある農産物の中でオリーブを作ろうと思われたんですか?

「オリーブは青果実としては流通しない作物なんです。

地域が盛り上がるためにはただ作るだけの農業ではなく、生産から加工、販売までする6次産業化を目指していく必要があります。

オリーブは収穫、加工、販売までする必要があるので、私たちの求める作物として当てはまったんです。」

「また、地元農家さんとの共存という点も理由の一つです。企画当時、九州でオリーブを生産している農家さんは少なかった。

一般農家さんが作られていないものにすることで、既存の農家さんの競合にはならないように。一企業として農家さんと共存していくことを大切にして、オリーブ作りに取り組むことにしました。」

日本最高のフレッシュなオリーブオイル作り。

—こちらのオリーブオイルが他よりもこだわっている点を教えてください。

「私たちは、このオリーブ園で採れたオリーブを搾油して、オリーブオイルやコスメなどを製造しています。

私たちの強みとして、搾油場が園と併設している点があります。併設しているので収穫してすぐに搾り始めることができる。

収穫して、早いもので4~6時間で搾ることができるので、フレッシュで有効成分が多く入っているオリーブオイルにすることができます。これは通常であれば難しいことです。」

「また、熱や化学生成を全く加えていないので新鮮なエキストラバージンオリーブオイルになります。

作り方を学んでいくうえで、イタリアやトルコ、ポルトガルの提携農園へ足を運び、みっちりと本場のオリーブオイル作りを教えていただいてるんです。質に関しては自信をもって送り出せる商品作りができていると考えています。

天草という地でオリーブを作るロマン。

—九州の中でもいろんな場所がありますが、天草でオリーブ作りを始めようと思われた理由はなんですか?

「まず、最初にオリーブを育てる土地が必要でした。天草には2,000ヘクタールもの耕作放棄地がありました。オリーブ作りで耕作放棄地を解消できると共に、私たちも探していた最優先の場所として当てはまったんです。

イルカウォッチングなど海の観光資源としても豊富な天草。オリーブ園を作ることで、また違う天草の魅力を作ることができたらなとも思いました。

「また、天草は昔、隠れキリシタンが多く移り住んだ場所です。安土桃山時代、日本にオリーブを持ち込んだのはキリスト教の宣教師と言われています。

ここからは推測にもなるのですが、もしかしたら最初にオリーブが日本で食べられたのはキリスト教とゆかりの深いこの天草だったかもしれない。

実際に文献に残っているわけではありませんが、そう考えるとロマンがあると思いませんか?そういった想いに馳せるのもこの地でオリーブを作る楽しみの一つです。」

チャレンジをし続ける農園を目指す。

—歴史を感じる話ですね!オリーブ作りをする上で一番苦労されたことはなんでしょうか?

「それは間違いなく実をつけるさせることが一番大変でした。樹木を育てることはとても時間がかかります。しかも、ある程度育ってもオリーブアナアキゾウムシという天敵が現れるんですよ。

この天敵を倒すために人海戦術で対策をします。しっかりとした実を育てるための努力はおしみません。」

「また、もともとはオリーブを育てて加工するまでの農園でしたが、2014年から観光農園としてもリニューアルをしました。

それまでは視察受け入れのみでしたが、体験もできる観光農園として年間15,000人ほどの方が来られています。そういった新しいチャレンジは続けていきたいですね。」

帰ってきたと感じることのできる場所に。

—これからの新しい取り組みや展望を教えてください。

「オリーブは1000年と長く育ち続けるんですよね。天草だけとは言わず九州に根付く愛される農園にしていきたい。

2010年に地元の小学生、高校生を呼んで植樹祭を行いました。実は、天草は大学がないんですよね。だから高校を卒業したらみんな外に出て行ってしまう。」

「だからせめて、天草から出た人が故郷に戻った時に、自分が植えたオリーブの木を見て『あぁ、帰ってきたな』と感じることのできる場所になっていければいい。

海外の提携農園の方達が口を揃えて言うことがあります。『俺たちは先祖代々育ててきたオリーブで生きている。自分たちも次の世代に残していくために植樹をしていくんだ』と。

そういった長い世代に愛されながら、お世話になった九州に恩返しができるオリーブ作りを続けていきたいと思います。」